出産は心も体も大きく変化する、女性の人生の中で印象的なイベントのひとつです。しかし、母となってもキレイでいたいと思うように、大きく変わった体型は元に戻したいもの。育児の忙しさでなかなかダイエットがはかどらずに、焦りからイライラが募ることもありますよね。心と体に負担をかけずに、ダイエットするためにはどうしたらよいのでしょう。子育てと産後ダイエットを両立するひけつをご紹介します。

妊娠から産後にかけて太る原因とは?

「妊娠中は、赤ちゃんと2人分食べるように」と指導されたのは昭和50年代までくらいのこと。妊娠中に体重が増えすぎると、妊娠高血圧症候群や赤ちゃんが肥満になるリスクが高くなることから、現在では妊婦の体重管理は当たり前になっています。それでも増え続ける体重に困った人も多いことでしょう。妊娠中に太ってしまうのは、胎児の体重にくわえて、母体が脂肪を蓄えやすくなるからです。また、出産に向けて骨盤が広がるので、体型が崩れやすくなることも原因といわれています。 産後は、ホルモンの変化やストレスから、過食気味になったり、お菓子を好んで食べるようになったりする場合があります。骨盤のゆがみが改善しなかったり、赤ちゃんのお世話で同じ姿勢を長くとったりしているうちに、血流が悪くなり代謝が落ちていることも……。

産後ダイエットのNG行動

女性タレントが、産後数カ月で元通りの体型にもどった話題を耳にしたことはありませんか? 「あのタレントができたのだから、わたしも!」と、まねしたくなる人もいると思いますが、ちょっと待って! 産後の回復スピードは個人差があるので、安易にほかの人のダイエットをまねることは危険です。特に次のようなダイエットは絶対にNG。赤ちゃんにとってもママの健康は不可欠なことを忘れないでくださいね。

食事制限

出産によって体力は激しく消耗します。産後は母体も心も大きなストレスを抱えやすい時期です。食事制限は心身の回復を妨げるだけでなく、母乳にも悪影響をもたらします。母乳には食事がそのまま反映されるので、産後は特にバランスのよい食事を心がけましょう。

激しい運動

妊娠中は行動が制限されるので、どうしても筋力が低下し、体力も落ちてしまいます。いくら出産で身軽になったとはいえ、妊娠前と同じように動くまでには時間がかかります。激しい運動は筋力アップよりも体力を消耗することにつながり、産後の回復を遅らせたり慢性疲労を招いたりすることもあります。

時期別、おすすめの産後ダイエット

産後の女性の体は、赤ちゃんの成長と同じくらい劇的な変化を遂げます。出産直後の疲労困憊(こんぱい)な状態から、少しずつ時間をかけて体は回復していきます。下に紹介する期間は大体の目安です。決して焦らず、自分の体力や環境に合わせて、産後ダイエットにチャレンジしてくださいね。

産後~1カ月

母体がもっとも疲れている時期です。産褥期(さんじょくき)とも呼ばれ、母体の回復を促すために、いわゆる「床上げ」までの3週間くらいはできるだけ寝ていた方がよいとされます。この時期は無理をせず、リハビリのような気持ちでストレッチを中心に体をほぐすことを心がけてください。深い呼吸を意識して、横になったままで伸びの体操や、ゆっくり膝を曲げ伸ばしする体操、腰をひねる体操などを行いましょう。また、油っこい食事やカロリーの高いお菓子は、体重増加につながるだけでなく、母乳をつまらせて乳腺炎の原因にもなるので控えましょう。

1カ月~6カ月

床上げも終わり、家事や外出ができるようになる時期です。この期間は、開いた骨盤を引き締めるエクササイズを取り入れましょう。骨盤のゆがみは体型の崩れだけでなく、全身のバランスを悪くして産後回復の妨げにもなります。おすすめはバランスボール。おなか周りの筋肉を鍛えて骨盤を引き締める効果もあるので、家事や赤ちゃんのお世話の合間に活用してみてはいかがでしょう?

6カ月~1年

ようやく母体回復がし調子が整う時期です。体力に合わせてエクササイズの負荷を上げていきましょう。有酸素運動を行って、体重を戻しながら徐々に筋力アップするのが理想です。ウォーキングやジョギング、スイミングなどを1日20分毎日続けると効果が表れやすくなります。赤ちゃんとのお散歩では、安全な道を選んで、少し早足でベビーカーを押しながら歩いてみましょう。ジョギング専用のベビーカーも登場していますが、走り慣れていない人は注意力が散漫になるので母子ともにケガをする危険が。赤ちゃんとエクササイズを楽しむときは安全性を考慮し、無理なく楽しむことが大前提です。

産後ダイエットは無理なく楽しく!

子育て中は、睡眠不足や育児の疲れが重なりやすいので、まずは体調を整えることを優先にしましょう。ダイエットばかりに気をとられ、ストレスをため込んでは子育ても楽しめませんよね。産後ダイエットは心身に負担をかけないことが一番のポイント。無理のない産後ダイエット計画を立てましょう。 参考: