ダイエット中はついイライラしてしまいがち。食べたいものを我慢するのはつらいことですが、食事のとき以外でもピリピリするという人が多いのでは? 不安定な精神状態ではストレスがたまりやすくなり、ドカ食いやリバウンドを繰り返す悲しい結果につながることも……。
ダイエット成功のひけつは、穏やかな気持ちを保つことです。理想のスタイルへと導く、イライラとの上手なつき合い方をご紹介します。
ダイエット中はなぜイライラするの?
食事制限によるストレスをはじめ、ダイエット中の身体にはさまざまなイライラの要因が潜んでいます。たとえば、糖質不足もそのひとつ。ごはんやパン、甘いお菓子などに含まれる糖質は、脳のエネルギー源となる大切な栄養素です。しかし、太りやすいという側面もあることから、糖質の摂取量を極端に減らす糖質制限ダイエットをする人も多いことでしょう。ところが、その結果、糖質不足によって脳の機能が低下し、イライラしやすい状態をつくっているのです。
カルシウム不足にも気をつけたいところ。カルシウムには、興奮や緊張などによる神経の高ぶりを鎮める働きがあります。カルシウムが一時的に不足したとしても、骨から血液中に流されるため、すぐに精神の乱れが起きるわけではありません。しかし、食事制限によって慢性的なカルシウム不足が続くと、イライラの原因になると考えられています。
ドカ食い、リバウンド……ダイエット失敗の原因はストレスにあった!?
ダイエットによる食事制限でイライラが募り、ついドカ食いをしてしまった経験はありませんか? これは、ストレスホルモン「コルチゾール」が原因だと考えられています。コルチゾールには食欲を増進させて脂肪をため込む働きがあります。これは、一説によると争いが絶えない戦国時代に、戦いに備えてエネルギーを備蓄していた名残だといわれています。現代でも、慢性的にストレスを抱えている状態では、脳が次のストレスに対処するためにコルチゾールを分泌させます。しかし、戦国時代のような戦のない時代においてはエネルギーが余ってしまい、脂肪ばかりたまってしまうのです。
また、コルチゾールは脂肪の合成を促進したり、筋肉の成長や脂肪の分解に関わる成長ホルモンの分泌を抑えたりするため、太りやすい体質になることも。
こうしたことから、ストレスを抱えながらのダイエットは、過食やリバウンドによって失敗する可能性が高いといえるでしょう。
我慢しないのが吉!食べて、動いてストレスをためない体に
ダイエットを成功させるためには、ストレスをためずに穏やかな気持ちをキープすることが大切です。そのための方法をご紹介しましょう。
炭水化物をきちんと摂る
糖質制限ダイエットをすると減量効果を感じやすいかもしれませんが、糖質不足によるイライラを引き起こし、リバウンドをしやすくなります。さらに、ブドウ糖が枯渇してケトン体が増えると、吐き気や嘔吐などがおこることも。ほかにも、栄養バランスの乱れによってさまざまな体の不調が現れます。炭水化物を減らす場合は、主食の米やパスタを少量に抑える程度にしておき、極端な糖質制限は控えましょう。
さまざまな食品からカルシウムを摂る
イライラ予防のためにカルシウムを摂るとき、手軽な牛乳を選んでしまいがち。ところが、牛乳にはカルシウムの吸収を阻害するリンが含まれているため、飲み過ぎには注意が必要です。カルシウムを多く含むヨーグルトやチーズ、ワカメ、ヒジキ、小魚、ゴマ、緑黄色野菜などをバランスよくとることを心がけましょう。カルシウムをしっかり吸収するためには、適度に日光に当たってビタミンDを活性化させたり、炭水化物と一緒にとったりすることも大切です。
週に1度のお楽しみデーを設ける
ダイエット中は高カロリー・高脂質食品の摂取は控えたいところですが、我慢しすぎるのは禁物。食べたい気持ちを抑えすぎると、ストレスがたまりやすくなり、かえって逆効果になりやすいからです。週に1度のお楽しみとして、好きなものを食べる日を設けることをおすすめします。ただし、コルチゾールによって太りやすい状態になっている可能性が高いため、チョコレートなら3~5粒、まんじゅうや大福なら1つに抑え、適量を守るのがポイントです。
週3回の有酸素運動を習慣にする
イライラしているときは、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を行うことで、気分が落ち着きやすくなるといわれています。これは、精神安定作用をもつ「セロトニン」の分泌を促す効果があるためです。セロトニンを分泌させるためには、一定のリズムで15分間足を動かし続けるのがポイントです。有酸素運動による脂肪燃焼効果も期待できるため、週3回を目安に行うとよいでしょう。
穏やかな心で健やかな身体を育もう
食事制限によるダイエットは、食べたいものを我慢したり、栄養が不足したりして、イライラしやすくなります。ドカ食いやリバウンドを防ぐためには、バランスの良い食事を心がけることが大切です。くわえて、好きなものを食べてもOKな日を設け、イライラの原因を取り除きましょう。定期的な有酸素運動を習慣にすれば、穏やかな精神状態をキープしやすくなり、脂肪も燃焼されていきます。無理のないダイエットで、理想のスタイルを目指しましょう!
参考: