熱中症対策にクーラーは有効ですが、冷え過ぎにはご用心。冷房設備が整い、夏でも快適に過ごせる一方で、冷えによる体調不良を訴える人が増えています。上着やひざかけを利用した冷房対策にくわえ、内側から温める食事のひと工夫を取り入れてみませんか?
夏の冷えはなぜおこる?
身体の冷えは寒い季節特有のものではありません。夏でも冷えた室内で長時間過ごすと冷え性になってしまうことがあります。また、涼しい室内と暑い屋外を短時間で行き来することで、体温調整をする自律神経のはたらきが乱れやすくなります。それにより、血行不良をおこし、冷えや夏バテを招くと考えられています。
内臓が冷えると免疫も低下する!?
さらに、夏の冷えで注意したいのが内側からの冷え。暑さから口当たりの良い冷たい飲み物や食べ物ばかりを摂っていると内臓が冷えてしまい、消化吸収力が低下するため、下痢や便秘などの不調を引きおこすことも……。
人体最大の免疫器官といわれる腸が冷えてしまうことで、免疫力が落ち、風邪やインフルエンザといった感染症にかかりやすくなるともいわれています。暑い夏ほど内臓を温め、内側から元気になる食材を取り入れましょう。
夏の冷え対策は内側から!
季節を問わず、冷えの改善には温かい食べ物が有効です。とはいえ、暑い夏に熱い食べ物ばかりはつらいですよね。そこでおすすめなのが身体を温める成分を含んだ食材です。調理法に工夫をしながら無理なく取り入れましょう。冷えにうれしいはたらきをもたらす食材をピックアップしました。
Ø 辛み成分が効果的「ショウガ」
辛み成分を含む食材は多くあり、ニンニクやトウガラシ、ネギなどがあげられます。なかでもショウガに含まれるジンゲロンやショウガオールといった成分には、発汗を促し、血行を整える作用があるといわれています。
Ø ビタミンB群で代謝アップ「豚肉」
食事に含まれる糖質や脂質をエネルギーに変えてくれるのがビタミンB群。8種類のビタミンを総称したもので、特にビタミンB1やビタミンB12は糖の代謝に深くかかわっています。肉類に多く含まれますが、豚肉の含有量はピカイチ。
Ø 血行促進のビタミンEが豊富「カボチャ」
冬至のイメージが強いカボチャ。実は、夏に収穫の最盛期を迎える野菜ということをご存じですか? カボチャには毛細血管を拡張させ、血流を良くする効果が期待できるビタミンEが豊富に含まれています。そのほか、ビタミンCやβカロチンなども含まれており、高い抗酸化作用も期待できるとか。冷えの解消だけでなく、お肌にもうれしい食材です。
冷え解消食材で作るシンプルレシピ
上で紹介した冷え解消食材は、調理することでおいしく取り入れられます。ショウガ、豚肉、カボチャの栄養素を余すところなく取り入れた簡単レシピを紹介しましょう。冷やしても温めてもおいしくいただけますよ。
カボチャと豚肉のシンプルサラダ
材料(2人分)
- カボチャ 1/4個(約400g)
- 豚バラ肉 100~150g
- 青じそドレッシング(市販品) 60ml
- ショウガ 1片
- きざみ海苔 おこのみで
作り方
- カボチャは種とワタを取り乱切りに。豚肉は一口大に切る。
- ショウガをすりおろす。
- カボチャをラップに包み、電子レンジで加熱する(600Wの場合、5~8分程度)。
- 鍋にお湯を沸かし、豚しゃぶの要領で豚肉をさっとゆでる。
- 青じそドレッシングにショウガときざみ海苔を入れて混ぜ、豚肉、カボチャの順にさっと和える。
- 皿に盛りつけでき上がり。
豚肉はゆですぎるとせっかくの栄養素が流れてしまいます。豚しゃぶの要領で色が変わったらさっとあげるようにしましょう。
夏に食欲が落ちるという人は、もしかすると冷えが関係しているかもしれません。身体を内側から温める食材を活用しながら、冷えに強い身体づくりを心がけましょう。
参考: