体重だけでなく、体脂肪率がダイエット成功のカギを握ることは今や常識。でも、自分にとってベストな体脂肪率をご存じない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ダイエットはもちろん、健康にも影響を及ぼす体脂肪について解説。正しい知識でヘルシー&ビューティーを目指しましょう!

体脂肪の異常値によるリスク

体脂肪はパーセントに応じて、「痩せ型」「標準型-(マイナス)」「標準型+(プラス)」「軽肥満型」「肥満型」の5段階に分けられます。このなかで問題なのは痩せ型、軽肥満型、肥満型に該当する場合です。次のようなリスクがあることを、覚えておきましょう。

痩せ型のリスク

脂肪は心臓や肺、脳や消化器官など生命に関わる重要な器官に優先的にエネルギーが使われます。そのため、極端なダイエットで脂肪が少なくなると、生命維持に直接関係のない生殖器官や肌、毛髪などは、栄養が行き届かなくなります。 その結果、生理不順や無月経による不妊、肌の老化や抜け毛などの症状が表れやすくなります。特に不妊は女性にとって大きな問題。モデルのような体型を目指すあまり、女性としての可能性を狭めてしまうのはとても残念なことです。

肥満型のリスク

肥満で一番怖いのはズバリ、病気です。ときには心臓病や動脈硬化、高血圧や糖尿病、脳卒中など命に関わる重い病気を招くことも。女性は妊娠や出産時のリスクを抱えることにもなりかねません。 脂肪で血管が圧迫され、子宮に新鮮な血液が届きにくくなると子宮機能が低下、妊娠しにくくなるといわれています。また、妊娠中に太りすぎると妊娠高血圧症群の引き金にもなるのでとても危険です。流産や難産のリスクが高くなり、最悪の場合は母子の生命に関わることも……。

体脂肪の平均値

そこで知っておきたいのがベストな体脂肪率です。体脂肪の平均値は、年代によっても異なります。ここでは女性の「標準型-(マイナス)」から「標準型+(プラス)」までの数値をご紹介。それぞれの年代の平均値として、参考にしてくださいね。
  • 18~39歳     21~34%
  • 40~59歳     22~35%
  • 60歳~         23~36%
なお、17歳以下は体の変化が著しいので体脂肪率の平均値も1年ごとに変化します。この時期は、大人になるための大切な身体づくりの期間。あまり体脂肪率にとらわれず、健康的な食事と適度な運動を心がけましょう。

体脂肪とBMIの関係

ダイエットでよく耳にする、「BMI(Body Mass Index)」という言葉。体脂肪率とは、どのように違うのでしょう。 BMIとは、身長と体重を元に割り出す計算方法で、体型バランスを見る際の目安になる数値です。次の計算式で割り出します。 「BMI=体重(kg)÷身長(m)の2乗」 例えば、体重50kg、身長155cmの場合は、50kg÷1.55m×1.55m=20.8となります。こちらは18.5~25が「普通」とされ、この数値に入ることが望ましいとされています。BMIと体脂肪率が平均値に入っていれば、身体のバランスが良く、体脂肪も理想的な健康体というわけです。

体脂肪率を平均値に近づける対策

体脂肪は平均値を保つのがベストです。ダイエットとは一線を画す、健康のための体脂肪率を維持する対策をみていきましょう。

「痩せ型」の対策

食事は和食を中心に、主食となる炭水化物をしっかり摂りましょう。野菜や魚、肉などをバランスよく食べることも大切です。間食は食事の妨げになり、1日のトータル摂取カロリーを少なくしてしまうことがあります。 お菓子に含まれる砂糖や脂質はカロリー過多になりやすく、内臓脂肪や中性脂肪の原因にもつながります。適度な運動で筋肉をつけながら、健康的に体脂肪率アップを目指しましょう!

「肥満型」の対策

炭水化物は体内で脂肪に変化しやすいので摂りすぎは禁物です。1食につきお茶碗1杯を目安にしましょう。また、調理方法を工夫して脂肪分の摂取を少なくすることも有効です。運動は、ジョギングや水泳など有酸素運動で体重を落としつつ、筋力アップ運動を取り入れることをおすすめします。 筋肉量が増えると代謝がアップし、太りにくい身体に近づくことができます。無理な食事制限を行うと一時的に体重は落ちるかもしれませんが、リバウンドをくり返したり、健康を脅かしたりすることも。食事と運動のバランスを考慮しましょう。

美しく、健康に生きるための身体づくりを!

体重を基準に右往左往するダイエットでは、真の健康な体は手に入らないといっても過言ではありません。体脂肪と上手につき合いながら外見も身体の内側も健康的な美しさをキープするのが理想です。体重が軽い、痩せていればOKというダイエット信仰を捨て、よりよく生きるための健康な身体づくりに目を向けましょう。 参考: 低すぎるのは不妊の原因に!女性の理想的な体脂肪率|ヘルスケア大学