汗ばむ季節を迎え、いよいよ本格的な薄着の季節がやってきます。そんなときに気になるのがボディライン。どんなにがんばって体重を減らしても、お腹が出ていては気分も台なしですよね。夏本番を前に、引き締まったお腹をつくるエクササイズを紹介します。

ダイエットでは解消しにくいお腹のたるみ

ダイエットで体重が減ったのに、お腹周りは太ったまま……。という人が多いようです。それもそのはず、お腹のたるみは単なる脂肪ではなく、内側の筋肉量が低下していることが大きく影響しています。 腹部は骨がなく、筋肉によって胴体を支える構造になっています。内臓を正常な位置に保つのも筋肉の大切な役目。筋肉量が減れば内臓を支える力も弱まり、重力によって臓器が下がる「内臓下垂」がおきやすくなります。下がった内臓に下腹部が圧迫され、お腹のたるみが出てしまうというわけです。 やっかいなお腹のたるみを解消するためには、お腹周りの筋肉量を増やし、引き締めを意識するのがポイント。特に、内臓を支える腹横筋(ふくおうきん)を鍛えるのが効果的です。腹横筋はお腹の一番奥にある筋肉で天然のコルセットとも呼ばれるインナーマッスルのひとつです。すっきりとしたお腹を目指し、腹横筋を刺激するエクササイズを取り入れましょう。

下腹部の引き締めは呼吸から!腹横筋を鍛える簡単エクササイズ

お腹を引き締める体操として定番なのが腹筋運動。でも、腹筋運動は負荷が大きく、続かないという人も多いのでは? 実はこの腹筋運動で鍛えられるのは、お腹の前面にある腹直筋(ふくちょくきん)という部分。腹横筋への刺激は少ないといわれています。 つらい運動を行わなくても、もっと手軽に腹横筋を鍛えられる方法があります。それが、「呼吸」を使ったエクササイズです。お腹全体を使った深い呼吸は、腹横筋を大きく刺激するため、引き締め期待できます。

1.簡単エクササイズ「ドローイングダイエット」

毎日忙しい女性にとって、すきま時間にできるエクササイズは大助かり! そこでおすすめなのが、たった30秒の「ドローイングダイエット」です。 ドローイン(draw in)とは、英語で「引っ込める、息を吸う」という意味。息を吸った後、お腹を大きく引っ込めることで、腹横筋を刺激し、引き締まった下腹部へと導きます。早速その手順をみていきましょう。
  1. 背筋を伸ばし、まっすぐに立つ。お腹がふくらむことを意識しながら、鼻から息をしっかり吸い込む。
  2. 吸った息を口からゆっくり吐きながら、へそを中心にお腹をギュッとへこませる。
  3. 息を吐き切り、お腹をへこませたままでキープ。鼻からの浅い呼吸で15~30秒続ける。
  4. ゆっくりとお腹の力をゆるめ、自然な呼吸に戻す。
ドローイングダイエットのポイントはお腹がぺったんこになるまで息を吐き切ること! 内臓を引き上げるようなイメージで引き締めましょう。 わかりにくい場合は、お腹の上に手を当て行います。慣れないうちは15秒からはじめて徐々に30秒、60秒とキープの時間を延ばしましょう。横になっていてもできるので、寝る前の習慣にしてもよいでしょう。

2.無理なく腹式呼吸「笑いヨガ」

大笑いをした後、お腹が痛くなった経験はありませんか? 声に出して笑うことは、自然にお腹を使った腹式呼吸になっているのだとか。こうした笑いの動きを呼吸として取り入れているのが「笑いヨガ」です。 ヨガといっても難しいポーズはなく、しっかり息を吐く、というヨガの哲学を取り入れたもの。笑いヨガは、「ハハハ」と声に出しているうちに、無理なく腹式呼吸ができるため、だれでも簡単にできる体操です。大きな声で笑えばストレス解消にもつながりますよ。笑いヨガの手順は次の通りです。
  1. 足を肩幅に開き、ひざの力を抜いてリラックスして立つ。
  2. 口から息を吐きながら、上体を軽く前に倒す。
  3. 鼻から息を吸いながら、身体を起こし、そのまま両手を上に伸ばす。
  4. 息を吸い切ったら、そのまま3秒程度息を止める。
  5. 「ハハハハハ」と声に出しながら息を吐き、両手を下ろす。
大きな声を出す必要はありませんが、できるだけはっきり声に出すようにしましょう。気持ちよいと感じる程度で、3~5回程度行います。

継続したエクササイズで、すっきりお腹を手に入れよう!

筋肉量を増やすには継続したトレーニングがカギ。しかし、忙しい人にとってはジム通いや、つらい腹筋を続けるのが難しいことも。その点、ドローイングダイエットや笑いヨガは道具も不要。自宅で簡単にできますね。 ストレス社会に生きる現代人は呼吸が浅く、胸を動かす胸式呼吸になりがちです。腹式呼吸にはストレスを解消させ、自律神経を整える効果も期待できるので一石二鳥ですね。仕事の疲れをほぐすエクササイズとしても、一度試してみてはいかが? 参考: