日々、何気なくとっている睡眠。良質な睡眠は、基礎代謝を高めたりホルモンバランスを整えたりする働きがあります。ある海外の研究では、良質な睡眠をとっている人に比べ、睡眠不足の人は肥満率が高くなることが分かっています。 一見すると、ダイエットとは関係なさそうですが、それだけ睡眠が健康に与える影響が大きいといえるでしょう。やせやすい体質をつくるための効果的な睡眠についてご紹介します。

寝るとやせる!?睡眠中のホルモンの秘密とは

ダイエットで大切なのは、カロリーをセーブして一時的にやせればよい、という単純なことではありません。体重を減らすことよりも、やせた後も健康的な生活を維持することが肝要なのです。理想は太りにくい身体を手に入れること。そこで考えたいのが、睡眠の「質」です。 睡眠は身体を動かして運動するわけではないので、カロリー消費自体は少なめです。では、なぜダイエットに関係するのでしょう。考えてみると不思議ですよね。そこには睡眠中のホルモン分泌が関係しているようです。 睡眠中に分泌されるホルモンは数種類あるといわれています。なかでもダイエットに影響するのは、筋肉などの形成に役立つ「成長ホルモン」と食欲コントロールに関係する「グレリン」と「レプチン」です。これらのホルモンがダイエットに与える影響を確認しましょう。

成長ホルモンの特徴

成長ホルモンは、入眠して3時間後くらいに分泌されるホルモンです。名前どおり、身体の細胞生成を促すとても大切な働きをしています。睡眠不足が続くと、成長ホルモンがスムーズに分泌されなくなり、身体の代謝が落ちてきます。身体の代謝にはエネルギーとなる脂質が必要なので、代謝がスムーズな人ほど脂肪が燃焼して太りにくくなります。一方、代謝が低い人は太りやすくなってしまいます。 成長ホルモンの分泌が乱れると、ニキビや吹き出物などの肌トラブルを招くともいわれています。ここで大切なのが、睡眠の質。良質な睡眠をとることで、成長ホルモンの分泌が盛んになることが分かっています。質のよい睡眠を得るためには、寝る時間帯や自然な入眠、環境づくりがカギ。昼夜が逆転するような眠り方はNGです。22~24時までには部屋を暗くしてベッドに入り、スマートフォンやテレビなど、脳の刺激になるような活動は控えましょう。

「グレリン」と「レプチン」の特徴

グレリンとレプチンは、いずれも食欲のコントロールに影響するホルモンです。ところが、この2つは真逆の働きをすることが分かっています。グレリンは食欲を促進させるホルモンで、睡眠が不足するとグレリンの分泌が増えます。一方、レプチンは食欲を抑える働きを持つホルモン。睡眠不足になるとレプチンの分泌が減り、グレリンが優勢になります。そのため、睡眠不足の人は空腹を感じやすくなり、食べる量が増えて太りやすくなるという結果に陥ってしまいます。 さらに、睡眠時間が7~8時間確保できている人に比べて、睡眠時間が5時間以下の人の肥満率は5割も高くなるともいわれています。だからといって、8時間以上の長い睡眠を時間に関係なくとればよいのかというと、そうではありません。昼過ぎまで寝てしまうような生活は体内リズムを狂わせてしまい、かえって睡眠の質が低下してしまいます。睡眠のリズムの整った規則正しい生活を送ることこそが、良質な眠りを生み出します。

健やかな睡眠はダイエットとは切り離せない

さらに覚えておきたいのが、睡眠とストレスの関係です。とくに女性は睡眠不足からストレスを誘発しがち。生理不順や便秘などを引き起こしやすいので注意が必要です。 健康的なスタイルを保つためにも、生活習慣を整えて、健やかな睡眠を心がけましょう。 参考: