おしゃれな女性の間ではすでに常識ともなっているネイルアート。実はこのネイルアートが爪の健康をおびやかしていることをご存じですか? ジェルネイルやスカルプチュアネイル愛用者のなかには、爪が緑に変色してしまう「グリーンネイル」という症状を訴える人が増えているそうです。グリーンネイルの原因と対処法についてご紹介します。
グリーンネイルの原因
グリーンネイルの正体、それはずばり「カビ」です。爪にカビが生えるなんて……。と、驚くかもしれませんが、カビの原因になる細菌は、環境さえ整えば身体にも繁殖することがあります。身体に生える代表的なカビには、水虫の原因となる「白せん菌」があります。グリーンネイルの原因になるのは、「緑のう菌」という細菌です。
ジェルネイルやスカルプチュアネイルのメリットは、なんといってもネイルが長持ちすること。通常のマニキュアは乾くのに時間がかかったり、すぐに剥げてしまったりすることがありますが、専用のジェルを使い、光照射によって定着させるジェルネイルなら2~3週間は持ちます。スカルプチュアネイルも専用の樹脂やジェルなどで自爪に密着させるので、やはり長持ちするのが魅力。爪の長さを出せるのも、スカルプチュアネイルの特徴です。
ところが、ジェルネイルやスカルプチュアネイルならではのメリットが、グリーンネイルを招く原因になっているようです。その理由を探ってみましょう。
ネイルオフの目安は4週間以内
当然ながら、ネイルをつけていても爪は毎日少しずつ伸びます。爪が伸びてくると、ネイルと自爪との間に隙間ができやすくなり、この隙間に水が入ると細菌が繁殖しやすい状態になります。家事や入浴、手洗いなど、毎日の生活で手が水に触れる機会はとても多いもの。ネイルと爪の隙間にたまった水分を取り除くことはとても難しいので、ネイルを放置しておくと細菌の温床となってしまうのです。
ネイルをつけている時は、爪のトラブルに気づきにくいため、ネイルをオフして初めてグリーンネイルに気づく人は少なくありません。グリーンネイルが進行しているということは、ネイルを長くオフしなかった証拠。ジェルネイルもスカルプチュアネイルも、3~4週間がオフの目安。もったいないからと1ヶ月以上つけ続けることはやめましょう。
グリーンネイルの対処法
グリーンネイルの原因になる緑のう菌は、決して特別な菌ではなく、水周りに多い常在菌のひとつです。この菌は乾燥しているところでは繁殖できません。軽度のグリーンネイルなら、ネイルをオフして爪を乾燥させながら症状の改善を待つことになりますが、状態がひどい時は治療が必要になることもあります。
いずれにしても、症状を自己判断するのは危険です。爪の異常を感じたら、すぐに皮膚科を受診しましょう。大切なのは、異常に気づいたらできるだけ早くネイルをオフすること。ただし、自分で無理にはがすのは爪を傷める恐れがあるので、必ずサロンでケアをしてもらうようにしましょう。
グリーンネイルになったときのネイルケア
グリーンネイルが改善するまでは、ネイルはしばらくお休みしましょう。ネイルで隠したいところですが、症状がさらに悪化してしまう可能性があります。また、過度な甘皮の処理もグリーンネイルの原因に。爪の付け根も細菌が繁殖しやすいので、症状が改善するまでは甘皮の処理も控えましょう。悪化すると、爪の形がガタガタになったり、表面がでこぼこになったりすることもあります。完治するまで爪をフリーの状態にしてあげることがポイントです。
爪にも休息を
爪は、水分を蒸発させ、表面を乾燥させることで硬さと強さを保っています。しかし、ジェルネイルやスカルプチュアネイルを長期間続けると、爪から水分が蒸発しにくくなり、爪がやわらかくなってしまいます。そのため、グリーンネイルだけでなく、爪が欠けたり二枚爪になったりなどのトラブルが起こりやすくなります。
グリーンネイルは爪のSOSサインのひとつ。ネイルアートを楽しむためにも、数カ月に1回は爪の休息期間をつくり、健康な爪を目指しましょう。
参考: