ダイエットに食事コントロールはつきもの。1日の食事量を減らすためには、間食を控えることがポイントです。とはいえ、おいしそうなお菓子を目の前にして、誘惑に負けてしまうこともあるのでは? ダイエット中の間食を気合だけでコントロールするのは意外と難しいものです。食べたい欲求を抑え、ダイエットを成功に導く食べ方のコツを紹介しましょう。

血糖値の乱れがダイエットを妨げる?

ダイエットでつらいのは空腹時間。当然のことながら、食事量を減らし、間食を控えると食事と食事の間の空腹感が増します。1日の食事量を減らすことで感じる空腹は、胃が空っぽになっているからではなく、血糖値が下がることによって発せられる脳からの警告でもあります。 糖は、脳を動かす唯一のエネルギー源。血中に含まれる糖の量(血糖値)が減ってしまうと、脳は危機を感じて、「なにかを食べるように」という指令を出します。空腹時に糖分の多いお菓子を食べたくなるのはこのためです。 糖分を摂ると、人はだれでも血糖値が上がります。なかでも精製された白砂糖を摂ると血糖値が急上昇。上がった血糖値を安定させるために、体内では血糖値を下げるホルモンが分泌されます。すると、急激な血糖値の低下がおこって体は糖の不足を感じ、もうひと口間食を求めてしまうのです。こうした血糖値の不安定がダイエットの食事コントロールを妨げていると考えられています。

血糖値が上がる食べ物は太りやすい

血糖値を下げるために分泌されるホルモンが「インスリン」です。別名「肥満ホルモン」と呼ばれるもので、余った糖分を脂肪に変える働きをもっています。血糖値の上昇が急なほど、インスリンの分泌量は増加。本来はエネルギー源として利用される糖分ですが、摂りすぎると太ってしまうのは、インスリンの大量分泌によって、糖を脂肪に変えるサイクルが進んでしまうから。その結果、太りやすい体内環境をつくるといわれています。 血糖値を上げる糖分は、なにも甘味料だけではありません。白米や小麦といった炭水化物に含まれるものもあります。一方で、肉や魚、卵のようなタンパク質が多いものは、血糖値の上昇がゆるやかです。こうした血糖値の上昇度を数値で表したものに「GI値」があります。同じ炭水化物でも、精製された砂糖はGI値が高く、玄米やそばは低く評価されます。さらに低いのが、タンパク質の多い肉類です。 GI値が低い食材であれば、インスリンの分泌量も安定し、脂肪をつくる働きも活発ではありません。また、急激な血糖値の低下を引き起こすことがないため空腹も感じにくくなるようです。

間食の欲求を抑える食事コントロールのコツ

甘いお菓子を食べたくなる欲求は、血糖値に大きく関係することがおかわりいただけましたか? どんなに強い意志でダイエットに臨んでも、脳からの警告にあらがうのは難しいもの。反対に、血糖値を安定させることで体は安心し、スイーツへの欲求も抑えることができます。食事の摂り方の工夫で、太りにくい食べ方を意識してみましょう。

Ø  食べる順番に気をつける

糖分はエネルギー源としても必要な栄養素。まったく口にしないようでは、集中力の欠如や、さまざまな健康障害を招く危険性があります。1日のエネルギー源を確保するためにも、適切な量を確保しましょう。また、ダイエットを成功させるためには、血糖値の急上昇を避ける糖分を摂ることがカギとなります。 方法はいたって簡単。糖分が多いものを食事の最後に食べることです。最初に汁物や野菜を、次にメインとなる肉や魚を食べます。最後に、米やパスタなどの主食を食べましょう。GI値の低い玄米やそばを選べば、より血糖値の上昇はゆるやかになります。胃の中に野菜の繊維や肉のタンパク質が多くあることで、最後に食べた糖分がゆっくり吸収され、血糖値の急上昇を防ぐことができます。

Ø  間食にはタンパク質をプラス

空腹を感じたときは血糖値が下がっている証拠。糖分が欲しくなったら無理に我慢せず、血糖値を少し上げて脳を安心させてあげましょう。ここでポイントとなるのが、血糖値が上がりにくいタンパク質も一緒に摂ること。たとえば、小さなおにぎりやゆで卵、煮干しといったタンパク質を合わせてみましょう。血糖値上昇がゆるやかになり、過度な甘いものへの欲求も抑えることができます。

Ø  血糖値の急上昇を招く砂糖類を控えよう

糖分のなかでも、特に精製された白砂糖は血糖値を急上昇させることがわかっています。砂糖の素材となるサトウキビは、ミネラル分も多く雑味があります。さまざまな栄養素が含まれることでGI値は低く評価されますが、精製されることで糖分だけとなった白砂糖は、血糖値の急上昇を招いてしまうのです。スイーツに含まれる砂糖だけでなく、料理に使う甘味料にも注意してみましょう。砂糖よりもGI値の低いはちみつやてんさい糖、メイプルシロップがおすすめです。また、糖アルコールと呼ばれるソルビトールやエリトリトールは血糖値の上昇を招きにくい甘味として評価されています。普段の食事から血糖値を乱さないように意識してみましょう。

食事を制する者はダイエットを制す

ダイエットは食事コントロールだけで行うものではありません。日ごろの運動量や睡眠の質も大きく関わっています。とはいえ、食事に対するストレスがダイエットを失敗に終わらせる原因になることが多いのは事実。甘いものや食欲への誘惑に打ち勝つためには、血糖値の安定がカギとなります。バランスの取れた食事と血糖値の上昇コントロールを心がけ、ダイエットを成功に導きましょう。 参考: